RID2620 Rotary Family

音楽を通して「感じる」心を♪

音楽を通して「感じる」心を♪

投稿日: 2025-05-29学友インタビュー(山静学友会)

廣瀬 美鈴(2002-2003年度国際親善奨学生)

自己紹介

 2002-2003年にイタリアのピアチェンツァという町にある、ジュゼッペ・ニコリーニ国立音楽院にロータリー財団国際親善奨学生として留学しました廣瀬美鈴です。留学を終えて帰国したのが2007年ですので、それからもう18年が経とうとしていることに少々驚いています。感覚的には5年前くらいの出来事のように感じているのですが……

 昨年の夏には、当時留学中に大変お世話になったロータアクトの一番仲が良かった友達が、家族で日本を訪れました。18年ぶりの再会となり、あのころと変わらない楽しい時間を一緒に過ごすことができました。
 

現在の仕事や取り組んでいること

 現在は地元である山梨と東京(国立)を行ったり来たりしながら、アンサンブルや伴奏などの演奏活動、ピアノ・リトミック講師、短期大学で保育士・幼稚園教諭を目指す学生に、ピアノや歌の基礎、教育現場で活用できるリズム遊び(リトミック)を教えています。毎週音楽を通して約80名近い幼児や児童と触れ合い、学生達と共に学び、彼らの元気いっぱいのエネルギーを分けていただきながら、慌ただしくも充実した日々を送っています。

ロータリーファミリーに参加したきっかけは?

 ロータリーを知ったのはイタリア留学がきっかけでした。私が長年指導を受け、大変お世話になっているピアノの先生より、ロータリーの奨学金制度をご紹介いただきました。そして、塩山RCの推薦をいただき留学させていただきました。在籍することになったイタリア国立音楽院の当時の学長もロータリアンという事で、入学手続き等もスムーズでした。また私のイタリア人ホストロータリアンのジェンティーレさんは、入学試験の時にも付き添って下さいました。イタリア語でGentile(ジェンティーレ)とは「親切」という意味もありまして、まさにその通りの方でした。そして、僕たちおじさんばかりのクラブの例会より、年の近い友達と過ごした方が楽しいからと、ロータアクトクラブへ紹介してくだり、ロータリークラブ、ロータアクトクラブにて例会に参加し、多くの方々と交流することができました。

ロータリーと出会い、どのような変化がありましたか?

 イタリア留学は私にとってとても大切な経験となりました。西洋音楽を学ぶ上で、本場の音楽、歴史、文化、空気、人、街など直接触れることができたのは本当に貴重な経験だったと思います。

 多くの子どもや学生と接する事が多いですが、今は1歳児からスマートフォン、タブレット、アプリ、動画などがすぐ近くにあり、私が子供の頃とは違い、手に入る情報量が桁違いに多く、いつでもすぐに手に入れることができます。それが良い面もあれば、手にするその四角い画面ですべてが完結し、その四角い世界の中だけしか知らずに過ごしてしまうのではないかと思うことが多々あります。画面の中で見るゾウの大きさと動物園で実際に見るゾウの大きさ、どちらのゾウを見た人の方がその大きさをより正確に伝えられるのでしょうか? 「経験・体験にまさる説得力はない、なんでもまずは自分で実際にやってみなさい。」、「良い経験も悪い経験もすべて、人生と音楽を豊かにする」留学先の声楽の先生が表現の指導の時に話していた言葉です。今でも心に深く残っています。

 私は子供たちに音楽を通して、色々な体験・経験をしてもらえたらと思っています。
 ピアノの鍵盤に触れ、音を出した時の指先の感触、放たれた音の響き、スピーカーからの音だけでは得られない「感じる」という感覚大切にしてほしい。現在はピアノだけでなく、ヴァイオリン、打楽器、フルートなど、色々な楽器に触れるワークショップなども試みています。さらに友達とのアンサンブルに取り組みながら、相手の表現、気持ち、表情、考えを「感じる」ことでコミュニケーションもスムーズになっていきます。音楽を通して子供たちに、「感じる」ことの大切さ、面白さ、楽しさを一緒に学びながら伝えていけたらと思っています。

 そして、音楽がどんな形であれ、生涯の良き友達として寄り添ってくれる存在になってくれたら良いなと思います。